私のエッセイ

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■タイトル: ヒカルの碁と私

■作者: コージ


<本文>

私が囲碁を始めたキッカケは、アニメ『ヒカルの碁』です。


話は、私が社会人になって数年経った頃に遡ります。
その頃の私は、朝早く家を出、夜遅く帰宅する毎日を過ごしていました。

そんな私にも、たったひとつ趣味がありました。テニスです。
プレイすると気分爽快! 今でも大好きです(^^;

そんな大好きなテニスがアニメになるというのです。
放映当日、新聞のテレビ欄をチェックした時、
そのアニメの次の番組、『ヒカルの碁』というタイトルが目に止まりました。

「ヒカルの碁? 囲碁のアニメ? そんなの面白いのかねぇ」
それが、私とヒカルの碁との出会いでした。


当時の私は、囲碁のルールなどまったく知りませんでした。

「陣地を囲い合うゲームだよなぁ」
という中途半端な知識はありましたが、その面白さなど知るよしもありません。

「でもまあ、ついでだし、第1話くらいは観てみるか」
とビデオの録画予約をセットしたのです。

その日、仕事から帰宅したのは夜11時くらいでした。
家に着くと、お風呂に火を入れ、早速ビデオを観始めました。
無論、テニスのアニメが目的です。

番組は期待どおり面白いものでした。
夜11時半、お風呂はまだ沸いていません。

そこで、「お風呂が沸くまでっ」と決めて、『ヒカルの碁』を観始めました。
さほど期待せずに。。。


しかし、オープニング早々、ビックリさせられました。
それまでもっていた囲碁のイメージとは懸け離れているのです。

3人組の女性アイドルグループが歌う主題歌は、アップテンポでノリがいい。

オープニング映像に登場するキャラクターは皆、若々しく躍動感がありました。
主人公の「ヒカル」、ヒカルに取り憑く平安朝の幽霊「佐為(サイ)」、
ヒカルのライバルになる「アキラ」、それぞれが個性を主張しています。

ヒカルは、明るく元気そうな少年です。
佐為は、女性なみの美しさと気品に溢れた、りりしい平安朝の青年貴族のように見えます。
ヒカルと同年代のアキラは、ひたすら碁盤に向き合う真剣な眼差しが印象的でした。

この3人以外にも、様々な少年達が登場します。

彼らの碁石を打つ手付きにはシビれるものがあります。
人差し指と中指に挟んだ石を構える姿の、なんとカッコイイことか。


それまでもっていた「じじくさい、縁側でのんびり」という囲碁のイメージをブチ壊す
衝撃的なオープニングでした。


本編の内容も素晴らしかった。


ヒカルに、今でも碁が打ちたいのかと問われた佐為はこう答えます。

「はい。なぜなら、私はまだ、神の一手を極めていない」

この『神の一手』というフレーズが、私の心に突き刺さりました。


初登場シーンのアキラは、オープニング映像での厳しい眼差しはなく、
笑顔がさわやかで優しそうな少年でした。好感がもてます。


再び碁が打てる喜びに涙を流す佐為を見て、私は思わずもらい泣きをしてしまいました。


次の佐為のセリフもよかった。

「17の四、右上隅小目(みぎうわすみ、こもく)」

意味なんてまったく分かりませんが、響きがカッコイイのです。


そして極め付けがこのシーンです。

アキラは心の中で驚愕のセリフをもらします。

「これは最善の一手ではない。最強の一手でもない。………
 ボクの力量を計っている。遥かな高みから」

ともに映し出される、高みから見下ろす佐為の姿には、鳥肌が立ちました。


気が付けば、エンディングテーマが流れ出し、30分があっという間に過ぎていたのです。

お風呂の火は付けっぱなし。
熱々のお風呂になっていました(^^;


それ以降は、毎週の『ヒカルの碁』が楽しみで仕方ありませんでした。

駅前でテイクアウトのカレーを買って帰り、
それを食べながら録画した『ヒカルの碁』を観るのが儀式になりました。


私も人差し指と中指の間に石を挟んで、かっこよく打てるようになりたい。
そんな思いから、囲碁そのものにも興味がわくようになったのです。

入門書でルールを覚え、ゲームの囲碁ソフトで何度もプレイした記憶があります。
そうしてだんだんと、囲碁にハマっていきました。


「目標とする棋士は誰ですか?」と今問われたら、私は迷わずこう答えるでしょう。

『塔矢(とうや)アキラです!』

物語中のひたむきな少年の姿に憧れる私なのでした(^^;



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